【報告書】2017年日本女性技術者に贈る奨励賞授賞式と記念シンポジウム

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開催場所:大田区民ホールアプリコ

イベントリポート

 紅葉で街の木々が彩る2017年11月19日、2017年度JWEF奨励賞授賞式、記念シンポジウムを開催しました。今回は大田区民ホール・アプリコを本会場とし、また遠隔でのライブ中継会場として長野県上田市の「まちなかキャンパスうえだ」をサテライト会場に設置する初めての試みを行いました。当日会場には大変大勢の皆様にご参加いただきました。
 本年度のJWEF奨励賞受賞者はシェルルブリカンツジャパン株式会社技術研究所で自動車用潤滑油の研究開発に従事されている鎌田久美子さんです。


 

 また、審査員特別賞はパシフィックコンサルタンツ株式会社のサービスプロバイダー推進本部で新事業開発事業に従事されている石﨑晶子さんです。

 奨励賞授賞式では、弥富JWEF運営委員長より受賞者の発表と共に受賞理由の報告がありました。奨励賞を受賞した鎌田さんは、日本のみならず米国組織でも、難易度の高い技術分野で粘り強くひたむきに研究に取り組み実績をあげ、高く評価されグローバルレベルでの活躍をされています。また周りを巻き込みリーダーシップを発揮するなどチャレンジ精神にあふれ、目標に向かって突き進む強い意志と努力、そして良い仕事をするための環境づくり(巻き込み)顧客も含めた課題解決力、性別を超えた研究者としての能力は、社内だけでなく学会でも女性技術者のための活動を積極的にされています。これらの多岐に渡る能力と実績が高く評価され、ロールモデルとしてふさわしいという理由で受賞に至りました。

 また、特別賞受賞の石﨑さんは、大学で農学系環境資源管理を学んだ後、大手建設コンサルに入りました。出産後新規事業開発分野に異動し、育児経験を武器にして新たな提案・開拓を行い、プロジェクトに多様な価値観を与えるイノベーションを「持続可能な仕事と育児」として実行されています。自らの育児で得た知識・経験をベースに社内の働き方改革、組合活動、社会活動に積極的に取組みつつ、官公庁の新規プロジェクトを成功に導くリーダーシップ力を発揮し、地域環境を整備するなど、多くの女性技術者が「身近なロールモデル」として感じるであろうという理由から受賞に至りました。

 弥富委員長より鎌田さんへ賞状、楯と副賞が贈呈され、続いて石﨑さんへ賞状と副賞が贈呈されました。次に、昨年受賞の株式会社NTTドコモの増田さんからのお祝いとして、花束とメッセージが贈られました(代理贈呈)。最後に、本定例会の後援でもあり、外部アドバイザーボードの経済産業省大臣官房審議官の木村様より頂きましたお祝いのメッセージが司会より読み上げられました。

 シェルルブリカンツジャパン株式会社鎌田さんの受賞記念講演のタイトルは「私のエネルギーで日本の未来を元気にしたい」です。大変、力強いタイトル通り、非常に高度で将来的に期待の大きい新規技術「二相潤滑油」プロジェクトリーダーとして臨むその熱意を強く語って下さいました。その中で心掛けたこととして「理想の姿を描いて、明確にする」「自分を信じる」「環境をつくる(巻き込む力)」のお話を頂きました。また2年半研究員としてアメリカへ赴任されていた時のお話では、着任後、直属の上司に1ヶ月挨拶ができなかった事、現地で研修生が来たと勘違いされた事などのエピソードの中、自ら全部署を招集して女性のバイスプレジデントに自分の紹介をしてもらう積極的なアプローチをして解決にむけたお話は、さすが!と感心いたしました。最後に、未来の理想と思う日本の姿を「働き方の多様性が認められている社会」「新しい産業が生まれ、平和でお金がある、暮らしやすい社会」とし、そのために「女性や外国人が精神的、経済的に自立できる社会や職場をつくる協力をしたい」「新規潤滑油の製品化 社会に役立つ新しい技術を生み出したい」と、力強く熱い想いの伝わるご講演でした。

 続いてのご講演は、パシフィックコンサルタンツ株式会社の石﨑晶子さんです。タイトルは「ハンディを武器に変えるワーク戦略&家庭内チームビルディングのすすめ」です。2度の出産で「技術者としてのスキルが積めない」「業務時間が十分に確保できない」「大きいプロジェクトの主担当が担えない」等の状況に陥り、焦りを感じていた石崎さん。そんなときに上司から「母であり技術者である君は社内で異なる視点と経験を持つ。なぜそれを仕事に活かせないのか?」と問われ、発想を転換。石崎さんは2つの戦略を考え実行しました。戦略1「“子育て時間”を武器にする」。子育て支援事業の企画提案、コンサルティングを行い、自らの経験を仕事に積極的につなげました。戦略2「“持続可能な仕事と育児”をチームで遂行」。夫と両方の両親との体制を強化するのはもちろんのこと、子供の健康状態など家庭の状況も社内のチームメンバーと共有してリスク管理を行いました。石崎さんの前向きな明るいワークライフバランスの日常が印象的なご講演でした。

 

 最後は基調講演として日本電産株式会社専務執行役員中央モーター基礎技術研究所長の福永泰氏にご講演いただきました。タイトルは「CONVERGENCE(融合・共創・協創)」研究で働き方改革?「3%の輪」で、1000倍のアウトプット?です。福永氏は長年日本の電機産業、情報技術の先端を担われてきた経験知見から「聞いたことは忘れる、見たことは覚えている、でもやったことしか身に付かない」という説得力のある言葉からお話をスタートされました。入社して最初に研究開発したコンピューターは新幹線や原子力、鉄鋼制御システムに利用され、社会生活に多大な影響を与える任務からのスタートであった事から、今後2025年には50円スパコンでモーター制御する様になるであろう事まで多岐に渡ってお話頂きました。また日本電産様の女性部長の主導でプラスキャリアPJが発足したことや、女性管理職、管理職候補の割合が伸びているなど、社員の多様性へ向けた取組みについてもご紹介いただき、私達女性技術者へ力強いエールとなるご講演でした。

イベントの元記事

http://www.jwef.jp/activity/setnws_20170926113144477686981234.html

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